プリセプターシップの立案(3)
[ プリセプターシップの立案 一覧 ]
国家試験の発表もあり新年度を迎えた今ごろは、新人看護師の方は希望と期待、そして不安な気持ちで、研修に臨まれていることと思います。
皆さんの職場では、新人看護師と指導看護師との報告体制はどのように行われていますか?
私が病棟に勤務しているときにも、新人看護師との指導報告・連絡についてはとても苦労してきました。
その時には個々に工夫していた為、色々な取り組みも途中で消滅していまい、継続には至らなかった…という苦い思い出があります。
5月の看護部会で、新人個人目標用紙の標準化について決定し実施となりました。
と、同時にプリセプティ・プリセプター同士の勤務が少なく、指導が継続されない事例があるとの報告があり、下記の目的の職員共有ツールの必要性に迫られました。
①情報の共有
②問題の抽出
③評価のツール
上記項目を目的にした職員共有のツールである報告書を考案し、日報の導入の試みを決定しました。
「1日を振り返り、自分の学びを整理するためにきちんと書く」を目的として、
①時間
②実施した項目
③学んだ事
④感じた事(以上、プリセプティ側の記入)
⑤指導したこと(その日の指導担当看護師が記入)
を日報の項目として【日報・発見ノート】とネーミング、書式を決めました。
実施に関しては、主任会議で検討・評価しました。
導入に際しては、特に問題なく実施されましたが、
①記入法が箇条書きでない→現場で再指導。また書きやすくする為にサンプルを作成。
②指導後はポイントの記入が必要。
③個人差はあるが、改善されている。
という評価で6ヶ月は日報を導入する事にしました。
また次のステップとして9月の主任会議で、日報の内容が重複されることが増えてきたと言う評価から、日報から週報への切換えとなりました。
【週報ノート】は、「1週間を振り返り、整理する」「将来の自己ノートとして活用する」を目的として指導者記入欄はコメント欄に変更し、10月より導入しました。
また中途採用者にも、スキル・経験に応じて書式を一部変更し、【中途採用者日報・週報】とネーミングし、導入しました。
【日報】・【週報】・【個人目標設定用紙】は一緒に個人ごとにファイリングして、ナースステーション内の所定の場所に設置しています。
また、【日報】【週報】には、プリセプター・チームリーダー・副主任・主任・科長の点検印欄を設け、情報の共有確認と進捗を管理しています。
≪看護部長として思うこと≫
病棟に出向いて新人ナースのファイリングされた日報を開いて見てみると、日々真剣に業務に取り組んでいる姿、またそれを見守るスタッフの姿が目に浮かびました。
記入された内容は細かな振り返りが出来ていました。
当日指導した看護師もプリセプティのコメントに対して評価したり、修正したり、励ましたりとプリセプティと指導スタッフとのキャッチボールが出来ていると感激でした。
それぞれの責任を明確にする為に点検印欄を設けたのですが、チームや病棟全体でプリセプティとプリセプターの情報を共有し、継続して見守り、皆で育てる体制になってきた、長年の悩みが1つ解消していくように感じました。
看護部会を始め、主任会議や教育委員会の軸で活動していることが、間違いではないことを評価できると実感し、また報告会でなく、問題提起して議論し、職員全員で問題解決していくことの大切さ、進捗管理することの重大さを学んだように思います。
会議では聞けない現場スタッフの感想が聞きたいと思っている頃、プリセプターシップ3ヶ月研修を迎える時期になりました。
つづく…