今年度も半分が過ぎました。10月に入り日の暮れるのも早くなり、めっきり秋らしくなってきましたね。何時の日かを境にして、あちこちで金木犀の甘い香りが漂ってきます。
今月初め、私立病院協会看護部長会の1泊研修に参加させていただきました。
他の府県にある病院の視察研修と私立病院協会の看護部長の方々との親睦が目的です。
今年は、高知県にあるT病院の視察でした。T病院は、『病院らしい病院であり続けるために』病院機能の絞込みとスタッフ機能の絞込み、コストの削減を経営戦略として掲げていらっしゃいます。
病院の役割を明確にして地域医療連携に力を入れておられました。
チーム医療を重視して、医師を中心にしてコメディカルの職員数を抱負に採用されていました。良質な人的資源の投入量が多いほど、質のいい医療サービスが提供できるという考えからだそうです。医師は医師しか出来ないことだけするように、役割を明確にして十分な数の職員を採用されているようです。
DPCを導入してからは、NSTチームとリハビリをより充実させて「廃用を下げる」「食事で栄養をつけてもののコストをさげる」をモットーにされ、コスト削減と早期退院を目標にされています。
施設見学の案内を受けた後、このような成功例を約2時間熱意ある講演をしていただき、こちらも胸が熱くなりました。
一番印象に残ったのは、地域住民の皆様に対して病院としての役割を果たしていくために、いつも世の中の動きに敏感でいる感性と、果敢に決断する勇気をもち実行されていること、またこういった姿勢が地域の病院として信頼を得る事ができるのだと感じたことでした。 この姿勢を見習い、看護部長としてまた一人の人間としても、いつもそのように心がけて行きたいと思いました。
≪プリセプターシップ6ヶ月研修≫
平成19年、9月末にプリセプティ研修、10月初旬にプリセプター研修を開催しました。このような集合研修は、特にプリセプティは同期の仲間が集まり話し合う良い機会になります。励みになったり自分以外の意見を聞くことで経験値になったり、同期の結束が生れてきます。そういう機会を有効に使ってみては?という科長からの意見もあり、研修前半の時間はプリセプティだけの時間としました。ご褒美としておいしいケーキとコーヒーで和やかな時間を持てるようにと病院側からの配慮もありました。
★参加者レポートから抜粋★ 【石井プリセプティ】 この3ヶ月もあっと言う間に過ぎた3ヶ月だった。私生活では家族が増え喜びと悩みを抱えた3ヶ月であった。 毎日実践した事を日報に記載し、自己の学習ノートとしてまとめて振り返りが出来、それを活かし自己で実践できる事が増えてきたように思う。3交替勤務も経験して、24時間看護師が、どの様に動き役割を果たすかを全体として捉えることもできた。担当患者様の看護過程を展開していけるように、自己の学習を初心に戻ってしっかりとやっていきたい。また入職時に学んだ接遇を今一度よく振り返り、日々の業務の中で意識して患者様や家族の方に安心できる入院環境を整えていくことも大切にして行きたい。
【笹田プリセプター】 プリセプティが年上であるため、困っていることやしんどい時にどのような声かけを行っていけばよいかわからなかったが、普段の指導時間や1ヶ月の目標設定と振り返り時の会話の中から情報を得る事ができた。 同じ勤務が少ない中で、チェックリストや日報を活かし日々の学びの評価が出来たと感じる。 【太田プリセプティ】 ようやく業務の流れが身についてきた。時間配分も徐々にわかるようになり、少し余裕を持てるようになってきたと思うが初心を忘れずに確認して慎重な行動を心がけていきたい。 夜勤業務の流れも理解できる様になった。 少し時間に余裕を持てるようになった分、患者様とのコミュニケーションを大切にして患者立場になって最善を尽くすように日頃から小さな事でも気付くように注意していきたいと思う。
【中村プリセプター】 プリセプティが時間的に余裕が出来てきたと言っているが、今は頼もしさも感じられるようになって嬉しくなる。 今年からゆとり有る新人教育に取り組んでいるわけだが、もっと早くにこういう取り組みが出来なかったのだろうか… 多くの人材を無駄にしてきたのかもしれない。しかし、何らかの理由で退職されて他の病院で勤務されたかたが戻ってこられる事も少なくなく、やはり新人教育も含めて今やっている事が間違いでないことの裏付けになっているように思う。日報・週報に頼らずに口頭での確認は大事だと思う。 折り返し点にきて、お互いに気が緩まないように引き締めたい。 【大河原プリセプティ】 6ヶ月が過ぎ日勤帯の業務や技術を多く経験することで、自分以外の周囲のことにも目を向けられるようになってゆとりが持てて来た。患者様に対して大事には至らなかったが、確認を怠った事からミスをしてしまった。基本的な確認という行動をしっかり行い、二度と同じ失敗をしないように日々注意していきたい。 夜勤帯では急変時の対応に不安があるが、そういった時に自分が何をすべきかを学び行動できる様になる事が課題である。 また接遇については、言葉や対応の一つが病院のイメージにも繋がるので、常に自分が受けたいと思う看護が提供できるように考えて関わり、9ヶ月研修にはまた1つ成長できる様に努めていきたいと思う。
【山田プリセプター】 この3ヶ月も目標を持って取り組んでいけたのではないかと思う。プリセプターの自分にも余裕が無い状態ではあるが、声かけして、確認を共に行えるように心がけて行きたい。 今年から色々と教育体制が変わり初めての事も多く、どのようにしていけばいいのか悩む事もあった。厳しさと優しさの必要性を感じている。プリセプターの自分の立場としては、常に聞き易く話しやすい立場でいることが大切だと思う。 そう考えると常に一緒に考えて行こうという意識が大切だと思う。 常に新たな目標と振り返りを大切にしていきたい。
≪看護部長として思うこと≫ 実は今回のプリセプティ研修日には、出張と重なり私は参加できませんでした。 翌日代行の科長から報告があり、第一声「部長、参加できなくて残念でしたね」でした。 前回の研修から3ヶ月経過した新人ナースの成長に、それぞれの科長は感激したようでした。 悩みは絶えないが挫けることなくそれぞれが周囲とよい関係を持ち、個人対個人の関係で指導していない事がわかります。また、いつも前向きな姿勢に頼もしさも感じさせられたようでした。 プリセプター研修でも共に悩みながら成長している姿を感じます。特に卒後1年目教育の見直し初年度であり、現場を混乱させているような場面も見受けられました。こういった機会を通じて、現場の情報を共有し今後の課題にします。 またプリセプターからの意見にもあるように、今までの当院看護部の反省と現在実施している教育の正当性を感じているスタッフもいます。現在の活動に間違いがないと判断できるのではないでしょうか? 今後も現場の意見を掬い上げて部長の理念下、業務改善・当院の教育体制の再構築に繋げて、より良い看護に結び付けて行きたいと思います。
次回は、新人技術指導書についてお伝えします
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