プリセプターシップの現場(6)
[ プリセプターシップの現場 一覧 ]
看護部ブログ第2シリーズ第6回目は、外来・訪問看護科主任の日野小百合主任です。
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朝晩めっきり涼しくなり、秋の気配がすぐそこに感じる今日この頃ですね。 こんにちは、外来・訪問看護科主任の日野です。 当院に外来・訪問看護科を開設してから、早2年過ぎました。訪問看護師3人アラフォーにも関わらず、日々自転車やバイクで走り回り、真黒に日焼けしながら頑張っています。 利用者様が待ってられると思うと、暑さも忘れ、ペダルをこぐ足も軽やかになります。
≪訪問看護科でのプリセプターシップ≫
病棟のプリセプターシップを導入するにあたり、看護部や教育委員メンバーが悪戦苦闘している時期は、残念ながら私は自分に課せられた外来・訪問看護科と退院支援立ち上げを軌道に乗せることで精一杯でした。プリセプターシップに関わっているスタッフの苦労を横目で見ながらも、自分の課題に邁進していました。 しかし、訪問看護スタッフの育成という部分は、外来・訪問看護科でのプリセプターシップです。今回は新たな『科』の立ち上げと平行して実施している、外来・訪問看護科プリセプターシップについてお話します。 訪問看護は、在宅で生活されている方の看護について、その時の利用者様の状況を一人で判断し対応しなくてはいけないこと、家庭にあるものを使用してケアをするなどの工夫が求められます。 そのため、病棟とはまた違う看護の提供が必要となってきます。 現在、訪問看護スタッフは3人ですが、うち2人は病棟経験が浅かったため、並行して病棟へ研修という形で教育指導を受けてもらい、技術や知識を習得してもらうことから始めました。病棟研修の期間は、当院プリセプターシップに沿って教育指導が実施されました。 病棟研修終了後は、長期目標・短期目標の管理を行いながら、個人の進行状況に合わせて同行訪問を重ね、さらに訪問看護としての技術の習得ができるようサポートしてきました。また、毎朝のミーティングでの情報交換やケースカンファレンスを実施し、意識を高めるための問題提起や情報の共有を行っています。 そして訪問看護では、介護保険の知識や外部との関わりも必要不可欠であるため、同行の必要がないと判断してからは、外部のスタッフの方たちとの接触をとる機会を設定し、対応の仕方を指導してきました。 現在では、スタッフ間の意見交換や情報交換、問題提起、看護展開なども積極的に行えるようになり、今では頼れる存在になっています。そして、そんなスタッフに負けてはいられないと、私自身新鮮な気持ちをもらえるようになっています。 しかし、訪問看護はチームとして活動していますが、実際には個人での業務が殆どであり、コミュニケーション不足で行き違いを招くこともありました。そのため、今はコミュニケーションを十分にとるように心がけ、毎月定期的に上司を交えてミーティングを開催し、不安な気持ちを表出し共有する、また解決していくことが今は重要課題だと思っています。 単独で実施することが多い訪問看護ですが、いつも看護部の理念に沿った、「自分が受けてみたい」「家族に受けさせたい」という看護を提供させていただけるように、指導を心がけていきたいと思います。4月より主任に昇格してからは、より重要な事だと認識して、主任会議でも報告・相談しています。
≪卒後教育の訪問看護同行≫
当院の卒後2年目の教育に、訪問看護体験学習があります。2年目のナースとして、訪問看護に同行し、入院中に担当した利用者様の看護を在宅で実施してもらいます。2年目ナースが在宅での利用者様に感動する場面や、1年目から2年目ナースとしての成長を私が実感することが出来、またその場面に立ち会えることに喜びを感じ、少し得をしたような嬉しい気持ちになります。 また利用者様に卒後2年目ナースが同行訪問させていただいた時、利用者様も入院中担当だった看護師の訪問を心待ちにされており、普段着から余所行きに着替えて待っておられたりと、微笑ましい場面にも出会えます。
≪最後に・・・≫
この2年間は、何もないところをひたすら走り続けてきたため、外来・訪問看護科のプリセプターシップを完成させることは出来ませんでした。今後はこの2年間の教育・指導を訪問看護のプリセプターシップとして、当院のプリセプターシップに沿った教育指導が実施できるように、主任会議のメンバーと相談、教育委員会に連絡・報告しながら完成させたいです。訪問看護スタッフが新しいスタッフの指導ができるまでの成長を、今後の課題にしていこうと思います。