透析室長 中山晋二医師による透析に関するよくあるご質問への回答です。
慢性腎不全に対して腎機能を代行する治療法です。人工透析とは、一般的に血液透析のことであり、血液を介して浄化を行う方法です。仕組みとしては、患者の 血液を体外の回路に通して連続的に出し入れ循環させて、その途中に透析器を置き、その透析器の膜を介して患者血液と透析液が接することにより、透析を行っ ております。
ほとんどの血液透析患者では、内シャント(通常は利き腕と反対の手首の動静脈を吻合)を作成し、 それにより血流が増えた血管に二本の針を穿刺してブラッドアクセスとし、血液を出し入れします。
(1)体内の余分な水分を取り除く。
(2)電解質を是正する。
(3)小分子量の尿毒素を除去する。
(4)血液のPHを調整するなどの効果が得られます。
しかし、正常な腎臓には、ほかにもたくさんの機能があり、透析だけでは全てを完全に代行することはできません。そのための薬物療法や生活上の注意が必要です。
1週間に3回の十分な血液透析を安定して継続できるように日常生活のリズムを整え、体調をコントロールしてください。
また、食事療法(カロリー、水分、糖分、カリウム、リンなどの調整)にも注意しましょう。
現在透析を受けておられる施設で日程を調節されたり、旅行先等で透析を受けることにより、普通に旅行や出張をすることも可能です。
ただし、日常の自己管理がしっかりできており全身状態も良いことが必要です。
もし、旅行や出張を考えられた時は、早めにかかりつけの透析施設の医師や医療スタッフに相談してみてください。
当院でも、旅行等での臨時透析を受け入れております。
詳しくは、当ホームページ上の旅行透析・臨時透析の項目を参照ください。